〜夫婦で江府町視察〜
倉吉から江府町まで1時間で通勤できるようになった事を受け、江府町を夫婦で視察させていただくことになりました。 大阪から移動した当日の視察では、午後からの視察となり、十分な視察時間が確保できないため、前泊することにしました。宿泊したのはロイヤルホテル大山です。ここで強く印象に残ったのは朝食のバイキングでした。シェフが目の前で干物を焼いており、香ばしい香りに誘われて干物をいただいたところ、驚くほど脂がのっており、今まで食べた中の干物では断トツにおいしい干物でした。あまりの美味しさに、おはずかしい話ですが、3回も取りに行ってしまいました。5〜6cmサイズの小さな干物で、日ごろ見かけないお魚でしたので、シェフに何というお魚かお聞きしたところ、ハタハタだと教えてくださいました。 ハタハタと言えば秋田と思っていたので、とても意外でした。ともかく鳥取の人はこんなおいしいお魚を毎日食べているのか!移住したら自分も朝ごはんに毎日ハタハタの干物を食べる事ができるようになるかと思うと、早く鳥取へ移住したいと思った程です。
(朝のホテルからの大山の眺め)後から地元の方にこのお話をしたところ、ハタハタなんか、珍しくもなく、それがどうした?くらいの反応でした。地元のお宝を地元の方はお宝と思われていないのかもしれません。ともかく、お腹がパンパンになるまでハタハタをいただき、いよいよ江府町の視察のためホテルを出発しました。 2019年9月18日午前9時からNPO法人こうふのたよりの上野事務局長と末次さんと道の駅奥大山で合流し、車で町内を案内していただきました。向かったのは、前回の鳥取県移住定住フェアで知り合った冨永勇太さん宅です。冨永さんはBMXのプロライダーとして活躍した方で、江府町へ移住して3年目の方です。
冨永さんの夢は、奥大山で日本一のBMX施設を作るのが夢であると熱く語り、自分は同じくこの地で水洗いコーヒーの焙煎で起業するのが夢であることを話し、お互いに大いに刺激しあったのでした。
その事業を展開する場所として、旧米原分校(現在は廃校)が候補地だとお聞きし、そこへ案内していただきました。 先ず驚かされたのは絶好のロケーションであることです。
校庭から下側を眺めると眼下に畑が広がり、江府町のはるか下側まで眺めることができ、反対側は大山南壁がすぐ目の前にそびえており、こんなステキな場所で毎日コーヒー焙煎が出来、大山を眼前に眺めながらコーヒーが飲めることになるとは、サラリーマン時代の混んだ電車通勤や高層ビル群に囲まれた仕事環境とは、想像もできない別世界です。
サラリーマン時代は東京と大阪という日本を代表する大都会で仕事をしていたので、山手線は3〜4分に1本ですし、大阪の地下鉄も時刻表を見る必要のない便利な生活でした。 一方で、東急ハンズという一言では言い表せないくらい便利で、よく利用したこのお店はここ江府町にはありません。 逆に、江府町に東急ハンズがあったら驚きます。
今後、そんな便利な暮らしと縁のない暮らしになる訳ですが、逆に大都会に無いものがここ江府町には沢山あります。つまり、大都会と江府町それぞれの便利さと不便さはトレードオフの関係なので、どちらが良い悪い、という問題ではありません。 結局自分がどちらを選択するか、だけの問題だと思います。自分は江府町を選びました。
ここで仕事をすることにしました。毎日大山さんを拝んで仕事がしたいからです。それが幸せだと思うからです。それは誰にも侵すことのできない自分の価値観です。そしてこの大自然が日常生活になるかと思うと胸が鳴り心躍る心境でした。
焙煎所は校舎に作り、資金がゆるせば輸出用コンテナをカフェに改造して校庭に設置し、そこに座って首を右に振れば江府町のすそ野まで見渡せ、左に振れば大山南壁を眺められる絶景カフェが出来る訳で、このカフェの名前を何と命名するか考えだしたら止まらなくなりました。 「天空カフェ」はありふれているし、「絶景カフェ」はすでに何処かにある。そうだ「カフェ360°」がいい。などと妄想が勝手に暴走しだし、挙句の果てに看板のロゴデザイン案まで作ってしまうという、まったくもって脳天気な自分でした。 そんな妄想とは別に、現実に目を向けると、旧米原分校は江府町が管理しており、使用許可が出るかどうかは別問題でした。 この時は、この場所で開業できると楽天的に思っておりましたが、後でとんでもない事態になる事とは知らず、旧米原分校の使用許可を、NPO法人こうふのたよりの皆さんに役場との調整を託して大阪へ帰るのでした。(つづく)
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