《第10回》

〜マスコミの取材を受ける〜

ある日、突然マスコミに取り上げられることとなりました。それはBSS山陰放送の「生たまごbang!」という番組です。

日野町、江府町の水に関わる移住者たちにスポットに当て、その人たちの活動を取材する番組プランです。 自分はまだ起業仕立てで、焙煎所も出来上がっていない状態ですが、知名度を上げる絶好の機会ですので喜んで取材をお受けしました。

生タマゴBAN

取材してくださったのは山田ちゃーはんさんと三島遥香さん。 江府町の上の段公園でお二人と合流し、水洗い珈琲をお二人に飲んでいただくという設定です。まず、聞き慣れない「水洗い珈琲」とはどのような珈琲なのか、視聴者に理解していただけるように解説しながら進行しました。


まず、お二人から水洗い珈琲を飲んでみたいとリクエストがあり、それに応えて実際に珈琲を淹れてお二人に飲んでいただきました。飲んだ後のちゃーはんさんのリアクションの大きさにこちらが「エッ、そんなに?」と思うほど大きかったため、番組収録後に「リアクション大きいですねー」とお話したところ、「あれはオーバーアクションではなく、本当にスッキリして美味しかったです、早く発売してください!買いますから」というお返事をいただき、大変うれしくもあり、恐縮もしました。

この番組終了後、沢山の方から番組を見たというお声をいただき、メディアの力の大きさを改めて実感しました。後からお聞きしたことですが、この回が年間で一番の視聴率が高かったとのことです。もともと視聴率の高い番組の中でさらにこの回に自分が出られたこと自体がとてもラッキーでした。

インタビューについてですが、インタビュアーの質問は視聴者が知りたいだろうと思うことを尋ねて来るわけですから、答える自分の視線はインタビュアーに向けているものの、答える内容は視聴者に意識を向け、視聴者が理解しやすいように答えるように努めました。 私にとって、TVに出る初めての経験ですので、本当にいい経験をさせていただきました。

その後、焙煎所が旧米沢小学校に開設できてからは、中海テレビ放送から「日野川物語」という長寿番組で取り上げてくださるお話が舞い込み、なんと30分番組を制作、放送してくださいました。

日野川物語

鳥取へ移住してから立て続けにメディアに取り上げて下さる幸運に恵まれ、自分と鳥取との相性がいいのではないかと思わざるを得ませんでした。 取材は朝7時から撮影開始、ちょうど鳥取地方で数年ぶりの大雪が降り、まだ残雪のあれる中での撮影でした。


テレビ取材はとても面白く、視聴者に対して内容のリアリティー感やその場の雰囲気がきちんと伝わるように工夫されておりました。例えば、私が道の駅奥大山に納品する場面では、焙煎所から営業車に珈琲を積み込むところを撮り、お店に到着すると今度は車から珈琲を抱えてお店に入るカットを撮影しました。単に私にインタビューするだけでなく、丁寧な取材と多くのカットを積み上げる事によって、番組のリアリティー感や雰囲気を視聴者へ伝えることを勉強させていただきました。

「日野川物語」はタイトルにあるように、日野川に近いところで活動している人にフォーカスしているので、私が日野川にかかる橋の上を歩いている場面を遠くからカメラで追う場面も撮りました。TVは視聴者へ何をどう伝えるか、その為にどのようなカットを撮り積み上げるか「伝わる」事にこだわり、番組作りを作る過程を実体験させていただいたことがその後に珈琲の販促物を制作する際に大いに参考と刺激を受けることになりました。

例えば、店頭に置くPOPをつくる際に意識する点は「伝わるか?」という一点です。TVでもPOPでも、見ていただいた方に「伝わり」その先に「共感」を引き出す事が重要だと思います。

POPは一瞬で「つかみ」がとれなければそれで終わりです。それを意識させてくれる機会となったのがTV番組作りでした。 このように色々な事を経験させていただき、世の中に無駄はないものだとつくづく感じさせられました。

あらゆる経験を仕事に活かしてゆこうと益々思うのでした。(つづく)



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