〜コーヒーインストラクターの資格を取る〜
今後、コーヒー業界で活動してゆくにあたり、コーヒーについて知識や知見を深めておく必要がありますし、客観的な資格を取得していれば、対外的に通用しやすくなり、自分に対する自信にもつながると思い、日本コーヒー協会(JQCA)のコーヒーインストラクター資格を取得すべく勉強を始めました。 この資格は1級、2級と別れており、1級は2級を取得した後でないと受験資格がないため、先ず2級の資格取得に向けて勉強を開始しました。年2回しか受験する機会がないため、何が何でも1回で合格しなければならず、かなりプレッシャーを受けながらも受験勉強のごとく取り組みました。63歳になってこのようにがむしゃらに勉強するのは、本当に久しぶりの事でした。しかし、ある意味では若い時期を思い出すことができ、新鮮な思いで勉強に取り組む事ができたので、充実した時間を得ることが出来たことは幸せでした。
知識を問う問題は身につくまで覚えればそれなりに回答できますが、味覚を問われるテストもありました。試験会場で渡される2種類のコーヒーを試飲してこのコーヒーは何という種類のコーヒー豆かを答えるものです。
このテストは、数多くのコーヒーを飲み、その特徴を把握していないと答えられないため、あらかじめ主要な15種類位の豆で飲み比べ、その違いを舌に覚えこませるトレーニングをしました。幸いなことに、事前の講習会で試験本番に出る豆で試飲を経験する機会があったため、ピンポイントで味の特徴を舌に覚えこませる事は幸いでした。 これで味覚に対するテストには自信がつき、無事に通過する事ができました。
その他、コーヒー豆の作付けから開花、豆の収穫方法、花や豆の構造等の知識、珈琲を抽出するメカニズム等を学ぶことができたことは、今後珈琲業界で働くにあたり、基礎知識を得ることが出来、大変有益でした。
生産地についても、今迄は暑い国で生産される事くらいの大雑把な知識しか持っていませんでしたが、世界の珈琲生産地は、赤道を挟んで南北25度のコーヒーベルト地帯で生産されている事を知りました。しかし地球温暖化で将来は南北30度くらいまで拡大し、沖縄でコーヒー栽培ができるようになる時が来ると思います。すでに沖縄では珈琲栽培しているところがありますが、まだごく少量であり、日本が珈琲生産地の一つになるにはまだ数十年が必要と思います。
コーヒーインストラクターの話に戻しますが、2級は基本的な知識が大半を占めるのですが、1級ともなるとハードルは一気に高くなります。
伝え聞いた話では、珈琲生豆を見て、どこの国の何という品種かを答えるテストがあるそうです。コーヒー豆は一見するとどれも同じような形をしているように見えますが、よくよく見てみるとそれぞれに微妙な特徴があることがわかります。これらを見極めるためには、普段から数多くの品種の豆を見て触っておかないと全く歯が立たない内容です。コロナ禍が収束し、 1級試験の再開が決まればぜひとも1級に挑戦したいと思います。
この試験を通して印象的であったことは、生産地の地形による収穫方法の違いです。 ブラジルのように、比較的平地が多い農園では機械による収穫ができますので、人手もあまりかからず大量に一気に収穫する事ができます。
一方、標高1,500m以上の高地栽培をする生産地では機械が入らないため、すべて人手をかけて栽培及び収穫しております。これらは出稼ぎ労働者のお蔭であり、過酷な労働によって美味しい珈琲が飲めることに思いを致すと、一粒一粒を大切にしなければと思うのでした。(つづく)
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